■
今日は、実は岩手県は遠野まで行ってきました。
遠野といえば柳田国男の『遠野物語』ですよね。
やはり遠野物語の世界でした。
しかし私は遠野物語というか、フォークロア自体に
まったく興味がありません。
ですから、遠野藩1万2千石の居城・鍋倉城跡に最も熱中しました。
遠野藩は、盛岡藩の一部でありましたが、鍋倉城は大変遺構の状態が良いのです。
土塁や堀切の状態は正に良好でありました。
語り部さんのお話も聞かせていただきました。
「昔あったずもな・・・」と続けるのが遠野のやり方だそうです。
とりあえず、「おしらさま」「かっぱの話」「座敷わらし」を
聞かせて頂きました。日本人は何でも神様にしたがるのだなぁと
思って、おしらさまは大根のことだと思っていたら、違うのですねー
「おしらさま」は、ある農民の家に美しい娘がいたのですが
その家では、白い馬を飼っていたそうです。しかし娘は馬と何やら
話している。娘と馬はウマが合う・・・のかな?と父親は思っていました。
でも美しい娘ですから、見合いの話がいっぱい来る。ところが娘は
全部断り続けました。父親が不審に思って訊ねると、娘は馬と結婚するんだ
と聞いてきかない。父親は怒って、その馬を桑の木に吊るして殺しました。
それを知った娘は、後を追って死んでしまいます。
父親は非情に嘆き悲しみました。そこへ娘の霊が現れて曰く
「私は親孝行らしいこともせずに死んでしまいました。ですからあなたに
孝行だと思って良い事を教えます。明日ザル覗いてみなさい。白い小さい虫が
いっぱいいます。その虫に桑の葉をたくさん食べさせてあげてください。
すると虫は絹を作ります。それを売ると、あなたはお金持ちになれるでしょう」
翌朝、ザルを覗いてみると、確かに白い虫がいっぱいいる。そこで馬を吊るした
桑の葉をたくさん虫に食わせました。虫は段々大きくなって、繭を作り始めました。
それを反物にして売り歩くと、珍しがられて大変儲けましたとさ。
お話の終わりには「どんどはれ」と言います。「めでたしめでたし」のことですね。
なかなか面白いお話でした。尤も、理解できないところも多々あったのですが。