人生「図らずも」が多い
僕の周りで最近よく「図らずも」という出来事が起こる。
例えば、以前から少額ではあるが投資をちょこちょこやっていて
前々から目を付けていたのが大塚家具であった。
そう、内紛が起こった上に大赤字を出して、しかもスポンサーが見つからず
崖っぷちの企業である。
僕が見た時、大塚家具の株価は170円程度だったから
単元で買うと2万円もしないで買える。
これは倒産したら悔しいがさほどではなく、化ける時は最高じゃないかと考えていた。
それが何と、つい昨日ヤマダ電機が買収に乗り出したからびっくらこいた。
今や280円。実に100円もの上昇となって、二度びっくりした。
https://diamond.jp/articles/-/223294
君忠を貫くことで親孝行もできたサトウハチロー氏
このように、図らずも…ということが世の中にはある。
僕が、「これは凄い」と思ったのが、作詞家のサトウハチロー氏のエピソードである。
サトウ氏は、子どもの時に父親の佐藤紅玉氏に
「君に忠、親に孝」と言われたが
「俺は学校も落第するくらいだからとても二つはできない。どっちかにしてくれ」
と言い返した。そこで紅玉氏は
「一つだけなら君忠だ」ということになったそうである。
つまり、臣民として忠誠を誓うというわけだ。
戦後、サトウ氏は「リンゴの唄」で大ヒット。一躍時の人となる。
昭和天皇に拝謁し、その時に頂いた恩賜のタバコを紅玉氏に
プレゼントしたのだそうだ。
この時の文章が『文芸春秋で読む戦後70年』に収録されている。
今度煙草を戴いて、それを親父にやったら、すぐに有難がって
神棚に上げましてね、早速一本すって嬉しそうな顔をしてるんですよ。
願下げにしたほうの親に孝も出来た気がしてね
たいへんいい気もちでしたよ。
まさかサトウ氏も、陛下に拝謁する機会があるとは思わなかったであろう。
人生このように「図らずも」という事態が多い。
巡り合わせといったり、縁といったり、人それぞれであるが
軸足を置いて、それにまい進すれば、きっと良い巡り合わせが
やってくるであろう。