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空母「加賀」発見、苦闘した日米両軍のシンボル

わが帝国海軍が誇る航空母艦「加賀」が北太平洋で発見された。

加賀はもともと戦艦として設計されたものだが

ワシントン軍縮条約で航空母艦に変更、1928(昭和3)年に竣工した。

基準排水量2万9500(3万8000)トン、全長238(247)メートル、最大搭載機60(72)機

1270人(1708人)もの乗組員がいた、帝国海軍の代表的な航空母艦の一隻である。

(カッコは改装後の数字)

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航行中の加賀。大きい煙突が側面についているのが特徴の一つ

第一航空艦隊第一航空戦隊(一航戦)に所属し、空母赤城とともに最前線で活躍した。

また、1941(昭和16)年には二航戦の空母飛龍・蒼龍、五航戦の翔鶴・瑞鶴も加えた

6隻で真珠湾攻撃に参加し、対米戦の火ぶたを切った。

インド洋作戦や豪州への空襲などにも参加し、まさに東奔西走の活躍であった。

1942(昭和17)年6月のミッドウェー作戦で赤城・飛龍・蒼龍とともに

沈没した悲劇の船としても知られている。

 

損傷した加賀、米軍も苦しかった!ミッドウェー海戦

 

77年後の本日、故ポール・アレン氏のチームが設立した

米国の調査チームが加賀を発見したことを発表、映像を公開した。

発見したポイントは、ミッドウェー環礁沖5400メートルの海底。

直立した状態で発見、飛行甲板は失われていたという。


Wreck of Imperial Japanese Navy Carrier Kaga

 

 

ところで、ミッドウェー海戦といえば

帝国海軍の航空母艦4隻がミッドウェー島攻略を目指して

米空母3隻を基幹とする迎撃艦隊と交戦、惨敗した。

しかし、実は米海軍の勝利は辛くも得たものであることがわかる。

この海戦は前述のごとく、ミッドウェー島攻略(MI作戦)を目的としていたため

大田実海軍大佐が率いる海軍特別陸戦隊(約2800人)

一木清直陸軍大佐が率いる一個連隊(約3000人)

を伴っていた。

一方、6月3日にアリューシャン列島ダッチハーバーを攻撃し

キスカ島などの島々を攻略する(AL作戦)のが

空母「龍驤」と「隼鷹」率いる四航戦である。

 

敗因は暗号解読だったのか?

 

重要なミッドウェー島の戦力はどうだったのか。

戦闘機、爆撃機各12機

海兵隊750人、駆逐艦1隻、5インチ砲6門、高角砲12門、機銃約100門

と見積もられていたが、もちろん敵艦隊の迎撃も予想されており

空母3-4隻、戦艦2隻、巡洋艦10隻、駆逐艦40隻、潜水艦25隻の来襲が

予想されていた。「エンタープライズ」「ホーネット」「サラトガ」である。

しかし、ミッドウェーは着々と防備が進み

海兵隊は3000人、多数の対空陣地が整備されていた。

戦闘機27機、爆雷撃機66機、飛行艇32機、旧式機も含めて150機が全兵力だった。

 

よく、「日本軍の暗号は漏れていた」のが敗因とみるふしもあるが

確かに、「AF=ミッドウェー」の確証が掴めなかった米軍がわざと平文で

「ミッドウェーでは真水が不足していると打電したところ」

日本軍の暗号電文が「AFで真水が不足している」と打ったためバレた

のは事実で、作戦目標や大体の開始時期などの暗号が解析されたが

5月26日以降は日本軍が暗号を変えたため、解読ができなくなった。

しかも米軍上層部は偽情報を疑い、必ずしも主要な敗因とは言えない。

とはいえ、ある程度の敵情分析までできたことは認めるべきであろう。

 

爆撃を避けまくる!日本空母の神業

 

日本時間で6月5日午前1時30分、ミッドウェーに接近した機動部隊は

戦闘機、爆撃機攻撃機合わせて108機からなるミッドウェー島攻撃隊を

発進させた。また、ミッドウェー島からも機動部隊に向けて攻撃隊を

発進させている。

ミッドウェー島への攻撃では、およそ20機の米戦闘機を破壊し

基地施設もいくつかを損傷させた。

一方、基地攻撃隊も日本艦隊に向けて攻撃を開始した。

 

だが機動部隊の空母を任せられている各艦の艦長はさすがといおうか

面舵、取舵、とよく回避行動を取り、一発の命中弾もなかった。

以下「第一航空艦隊戦闘詳報」によると、以下の爆撃に晒されている。

6月5日 

飛龍 4時56分 B-17爆撃機9機の爆撃命中せず

赤城 同じく爆撃命中せず

飛龍 5時8分 急降下爆撃機4機爆撃命中せず

飛龍 5時12分 急降下爆撃機6機爆撃至近弾1

赤城 5時13分 爆撃受けるも命中せず

蒼龍 5時19分 爆撃受けるも命中せず

赤城 5時20分 爆撃受けるも命中せず

飛龍 5時21分 爆撃受けるも命中せず

蒼龍 5時24分 爆撃受けるも命中せず

加賀 5時30分 急降下爆撃3機爆撃命中せず

蒼龍 5時35分 B-17爆撃機3機爆撃命中せず

まさに神業を言っても良いほどである。ミッドウェー島の運命も尽きたか

と見られた。が、実は最大のミスを南雲忠一司令官はしてしまうのである。

 

南雲司令官痛恨のミス。仇討に燃える飛龍

 

ミッドウェー島を攻撃した友永隊長は、念のため二次攻撃必要を打電した。

しかし、必ず迎撃に来ると思われていた米海軍を発見できていない。

南雲司令官は、爆撃機に装着する爆装を命じた。

この時、ミッドウェー島攻撃隊の帰還機の収容も行われており

各空母ではてんやわんやの大騒ぎとなっていた。

そこへ索敵機が「巡洋艦5隻、駆逐艦5隻、後方に空母らしきもの伴う」

と報告してきたからパニックに拍車がかかった。

南雲司令官は「攻撃隊を収容せよ」と命令した。

実は、戦闘機の半分はミッドウェー攻撃に、もう半分は上空援護に

出していたため、敵空母を攻撃しようにも護衛機がいない。

従って戦闘機の収容を優先したのである。

それから再び爆装を対艦用の雷装に積み替えることとなった。

これらの作業は1時間はかかる。

7時24分、準備ができ次第攻撃隊発進の信号が出された時

SBDドーントレス爆撃機が赤城に襲い掛かった。

赤城は大きな衝撃とともに火柱が立ち飛行甲板に

置かれたままの爆弾にも誘爆し、火が燃え広がった。

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回避行動をとる飛龍。見事な操艦である

実は、この攻撃も幸運によるものだった。

米艦隊から発進した雷撃隊は上空援護の日本機によりほぼ全滅したが

マクスウェル・レズリー少佐とクラレンス・マクラスキー少佐に

率いられた急降下爆撃隊54機は、コースを誤って日本艦隊を発見できなかったが

一隻の日本の駆逐艦を見つけた。この駆逐艦は本隊に合流するに違いないと見て

駆逐艦に付いていくと、4隻の空母群を発見した。

急降下爆撃隊は勇躍、空母群に急降下爆撃を実施

赤城、加賀、蒼龍に命中弾を与え、日本海軍の勝利を潰した。

一隻残った飛龍は「我れ敵を撃滅せんとす」と反撃に出る。

乾坤一擲、発進した攻撃隊は、仇討とばかりに

米空母「エンタープライズ」に攻撃を開始、大破炎上させた。

さらに飛龍は攻撃隊を発進させ、米空母に命中弾を与え、炎上させた。

「飛龍が2隻やった」と残った部隊は歓喜した。

しかし、1回目の攻撃で炎上した「エンタープライズ」は驚異的な速さで

火災を鎮火させた。そこへ再び攻撃を受け、再度炎上したわけである。

13時40分、ついに飛龍も爆弾3発が命中、ここに帝国海軍の敗北が決定した。

加賀は消化不能となって16時26分にガソリン庫に引火して大爆発を起こして

沈没した。岡田次作艦長以下811人が戦死した。

母港・佐世保に慰霊碑が建てられているが、加賀の部品は全く引き揚げられていない。

船体自体はムリだとしても、一部を引き揚げて故国へ「里帰り」を果たしてほしい。

奇しくも2年前に護衛艦「かが」が就役したほか

今年は連合艦隊司令部のあった呉鎮守府開庁130周年ということで、イベントの最中である。

奇妙なタイミングでの発見、加賀から何らかのメッセージを感じることができそうだ。