知っておきたい選挙開票の仕組み
25日、仙台市議会議員選挙の開票が行われた。
投票率は36.7%で前回より1.82%上昇した。
もちろん、上昇したとはいっても、4割に届いていないわけで
決して高いとはいえないのが現状である。
基本的に、投票率が低い場合は組織票が多くなるので
(組織は利益誘導のため、能動的に投票する場合が多い)
有権者のための政治を広く求めるのであれば、多くの方が
投票に行くことが肝要である。
意外と知らない開票作業
僕も今回は地元の候補者の選対に参加させていただき
おかげさまで無事、当選することができた。
ぜひこの4年間、頑張ってほしいものである。
さて、選挙では「なぜ最初は横並びなんだ」という疑問が聞かれる。
つまり、20時に投票が終わり、大体は21時頃に開票の第一報が出るのだが
A 200
B 200
C 200
D 200
などと、横並びとして出ることがほとんどである。
もちろんそれには理由があるが、実際開票の仕組みを見てみないと
わからない場合がほとんどであろう。
素朴な疑問として出されるのであれば、まだお答えしようがあるのだが
「これは開票をコントロールしているに違いない」とかいう
人もいて、その場合はそっとしておくことにする。
さて、投票が終わった後、投票箱は開票所に送られて一斉に開票作業がスタートする。
その際、100や200の枚数を「山」としてまとめる。
その山を積み重ねていくのが開票作業である。
従って、山ができあがるのが遅い場合、差が出てくる。
A 1200
B 1200
C 1000
D 400
といった具合である。AとBは良い感じに票が入っているが
Cは少々得票が減っており、Dに至っては一気に得票が減ったことがわかる。
こうしていって、最終的に
A 1573 当
C 1470
B 1398.5
D 570.5
という感じで終わる。この選挙ではAが当選したことを表している。
ところで、Cがまさかの次点であることに注目したい。
最初は差がついていても、一気にその差が縮まることはよくある。
投票所は地域に複数の箇所が設けられるが、例えば最初の開票ではBの
地盤の投票所であった。開票の後半はCの地盤だったため
Cが追い上げを見せた。
よく開票速報などでトップを走る候補をさしおいて2、3位の候補に当確が
つく場合があるが、トップ以外の候補が強い地域の開票が残っている場合だ。
また、BとDには0.5の小数点がついていることもある。
これは「按分」といって、投票用紙に書いてある名前や所属党派が
どちらとも読める場合、均等に割り振るのである。
例えば、「菊地太郎」「菊地次郎」の2人がいたとして
投票用紙に「菊地」と書いてある場合、2人で分け合うため0.5人分となる。
ただし「菊地三郎」などと余計なことが書いてある場合は無効となる。
祝勝会は禁止
さて、Aは見事当選を果たしたが、この時に万歳三唱をする光景をよく見る。
そのまま祝勝会をやろう、というのが人情ではあるが
これは違法となる。選挙後の飲み会は自腹であっても「供応」と見なされて
最悪当選無効になるので注意が必要である。
ただし、お茶やお茶請け程度であれば、必要最小限の飲食となるので
問題ない。非常に厳しい制限が課される選挙であるが、慣れれば
それほど苦ではない。ただ、「知りませんでした」が通用しないから
責任者が注意する必要がある。
ここまで、基本的な内容ではあるが、たまには選挙らしいことも
書いていければと思う。