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江戸大名300家それぞれに物語がある!

最近、江戸時代の知られていないエピソードを映画化するケースが多い。

これまでは、「忠臣蔵」や「徳川吉宗」といった有名な出来事や人物が

繰り返しドラマ化、映画化されてきた。幕末で言えば「新選組」「坂本龍馬」など

が有名であろうか。

陪臣にスポットが当たるように

そのような中で、はっきり言ってまったく知られていないような人々や出来事に

スポットを当てられることが多くなった。

わが仙台藩でいえば、伊達騒動において「逆臣」の汚名を着せられていた

原田甲斐を再評価した山本周五郎の「樅の木は残った」が有名だ。

原田氏といえば伊達氏譜代の重臣だが、陪臣ともなると一気に知名度は下がる。

最近では、衰退する宿場町を復活させようと、商人たちが力を合わせる

殿、利息でござる!」で羽生結弦選手が伊達重村役を演じて一躍有名となった。

そのほかにも、「武士の家計簿」「超高速!参勤交代」など、さほど有名ではない

人々が取り上げられた作品が次々と生み出されている。

その火付け役は、歴史学者磯田道史氏だ。「無私の日本人」「武士の家計簿」など

「誰だよこいつ」という細かいところを掘り下げたのは見事としか言いようがない。

膨大な労力を費やしたのではないだろうか。

もちろん、その人を記録するためには、日記なり文書が残っている必要がある。

世に出回っているものならともかく

そのまちにしか伝わっていないものなら

余計にそれを掘り起こすのが大変なのである。

武士の通信簿?「土芥寇讎記(どかいしゅういき)」

さて、江戸時代の大名を知る上では「武鑑」などで網羅されているのでおもしろいのだが

「土芥寇讎記(どかいしゅういき)」という書物はあまりしられていない。

著作者や年代もはっきりとわかってはいない。従って史料としての信ぴょう性に

疑わしい部分は多いものの、これの何がおもしろいのかというと

大名の行状が描かれている点である。

例えば、「水戸中納言光圀卿」の欄を見てみよう。「水戸黄門」こと「徳川光圀

である。同書によると「其ノ身を正シ、道ヲ以ッテ政道ヲ行ウ」「行跡明ラカ

道ヲ執行アリ」などとべた褒めと言って良い。

一方越前福井藩の「松平兵部大輔源昌親」の欄を見てみよう。

「大悪ノ無道人」「奸謀・邪欲・吝嗇」と、これでもかとボロクソだ。

ちなみに吝嗇とは「ケチ、みみっちい」といった意味である。

わが仙台藩は、「松平陸奥守藤原綱村」つまり4代藩主伊達綱村の時代である。

その欄を見ると「家民哀憐之心深キ」「士民ヲ愛シ」と評価は高い。

備考に「女色アリ」とあり、3代綱宗のことを少し引きずっている様子が伺える。

一方、意味不明な部分もある。

摂津瓜生藩2万石、安倍摂津守安倍信友の欄を見ると

「善将をあえて評価して名を汚したくないから評価せず」とあり

どういうことか勘繰りたくなる。祖先は徳川氏に属し、数々の戦で功労があったから

そのことだろうか。

信濃高島藩3万石の諏訪因幡守源忠晴はあまり知られていないが自身が医学を学んだようで

「医学は君主の学ではない」とバッサリである。

どうやら同書、幕府の人間が評価したという説もあり、「武士の通信簿」というもののようだ。

江戸時代は非常に人間臭い描写が興味深い。だからこそ、物語として生きるのだろう。

歴史上の人物といえど、大名家だけで300藩、旗本8000騎と呼ばれる。

陪臣を含めると膨大な武士階級が存在する。

それぞれに物語があると思うと、おもしろい想像ができそうではないか。