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新大久保視察報告〜特殊な地域のまちづくりを考える〜

先日、東京に行ってきたのだが
実はこっそり新大久保(東京都新宿区)視察を行ってきた。
別に隠しているわけでもないからこっそりでもないのだが。
地元の友人に案内をお願いし、新大久保のまちづくりについて考えてみようというのが
今回のテーマである。


新大久保とは何か。
東京都新宿区、JR山手線新大久保駅周辺を指す。
知る人ぞ知る「コリアンタウン」として有名である。
友人の話では、もともと新大久保周辺は外国人の居住者が多く
その歴史は江戸時代にまでさかのぼるということであった。
なぜ新大久保なのか。根本的な要因までは不明だが
徳川家康三河から江戸に入部した際、一緒に移住した人々が住んだためでは、という。
つまり、土着の住民がおらず、そのため外に開かれたまちだったという推察ができるわけだ。
例えば、「怪談」などで有名な小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは新大久保に住んでいたそうである。
その後、新大久保には外国人を中心とした居住者が相次ぎ
戦後からは在日朝鮮人支那人、東南アジア系の住人がコミュニティを形成している。


新大久保に限った人数は詳らかでないが、新大久保を含む新宿区全体の人口は
支那人13236 人、朝鮮人10034人と東京都内でもっとも多い(住民基本台帳人口平成29年1月1日現在)。
当然のことながら外国人経営による店舗も数多く見られ
その多くは焼肉店、日本語学校、韓流アイドルショップなどである。
支那人も同じく中華料理、日本語学校などで、その他の東南アジア系の店舗は
エスニック料理、電器部品店などが軒を連ね、濃厚な空間となっている。
位置としては、新大久保を起点として東側に朝鮮、北西側に支那、南西側にアジア系。
そのため、新宿韓国商人連合会、華人同携会など外国人による連合組織も存在する。
店舗の装飾は総じて華美であり、ハングルや漢字が至る所で見られる。

大久保通りは派手な看板がそこかしこに見える


歩行者もかなり多いのだが、それと比べて歩道が狭い(混雑と相まって2人が並んで歩くことが難しいほど)。
新宿区が実施した「第3・4回まちの特徴と課題 グループディスカッション」によると
特徴として「鉄砲百人町」、公園サポーター制度による緑地の維持管理などが挙げられているが
その半面、前述の道路の幅や外国人との言葉や文化の壁など、課題は多い。
平成18年9月に新宿区都市計画審議会が策定した「都市マスタープランの方針」では
「新宿区に蓄積されてきた多様性をいかしていく」「まちの記憶を発掘し再生して未来に引き継いでいく」
「個性ある地域の集積により個性ある新宿区を創っていく」の3つの柱を立ててまちづくりを行っていた。
多様性の集積は実際に完成されつつある。また、まちづくりの上で欠かせない緑地保全も進んでいるようだ。


まちづくりを行う上で重要なのは、コミュニケーションである。
マスタープランのように、新大久保周辺には外国人が集積したものの、そこから先のビジョンがない。
そのために、各国籍ごとの外国人がコミュニティーを形成しているのが現状だ。
これらのコミュニティーをまとめ、まちづくりのプレイヤーを増やす存在が
新大久保にはない。地方都市においては、その役割は商工会議所、町会などが担ってきた。
新大久保には新大久保商店街振興組合があるものの、組合員数が164人(平成25年現在)と決して多くはなく
しかもその約3割が貸しビル業で、店舗営業を行っていないという。
案内の友人が「いけいけのニューカマーと昔ながらの日本人との間にも壁がある」と語るように
昔ながらの店舗は総じて地味、昭和の香り漂うつくりとなっている。
国籍や年代横断型の組織は、価値観・文化の違いなどがあり、運営が極めて難しい。
だが、この時勢においては避けては通れない道である。
建物が老朽化し、経営者の高齢化が進む前に、解決すべき課題であろう。

景観にもマッチし、空間をよく活用している店舗もある


もう一つは、新大久保周辺の路地に入ると、狭い路地に所狭しと店舗が軒を連ねていること。
実はその隣が昔ながらの住宅地になっている場所があり
「住宅地です。静かに」といった看板も見かける。友人によると、ワーキングホリデーなどで
来日した外国人の若者が、店舗で飲み路上で騒ぐのだそうだ。
これはマナーの良し悪しはもちろんだが、都市計画上の課題もありそうだ。
都市計画図によると、新大久保周辺の大部分は第一種住居地域で、大型店舗を設置することはできないが
中小規模の店舗は設置することができる。店舗の横が住宅地であっても問題はない。
だが、現状の都市構造は、住宅地の環境を保護する地域とはなっていないのである。
大久保通り沿いに飲食店が増加しすぎたため、本来は設置を想定していない路地裏にまで
店舗が進出し、結果的に騒音や混雑を生み出している。
都市計画法の間隙をついた現象といえるが、行政の指導力不足ともとれるだろう。

昔ながらの店舗と朝鮮・支那人の店舗とは明らかなかい離がある


新大久保周辺は、極めて特殊な地域である。
その分、地域が抱える課題も浮き彫りとなっている。
新大久保が魅力あるまちとして栄えるためには
多くの住民が問題意識を持って取り組む必要があるだろう。