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提督必見!?呉を描いた「この世界の片隅に」が上映中


映画「この世界の片隅に」を観てきた。
本作は昭和8年、広島県広島市で幼少期を過ごした、すず(CV:のん)が
呉市の北條周作のもとに嫁ぎ、厳しい戦争の時代をたくましく生き抜く姿を描いた
ヒューマンドラマ。戦時中の「銃後」をリアルに描き
当時の様子をすずの視点から我々に伝えてくれる。
本作での魅力はやはりすずの生き方であろう。
いつもボーッとしていて、おっとりしていながら
一生懸命物事に取り組む姿は、戦時中であっても変わらない。
物資不足の中にあって、工夫を凝らしながら困難な日々を乗り越えていく様は
現代では考えられないことだらけだ。
もちろん、周囲の人間関係も重要なスパイスだ。嫁ぎ先の北條家は周作が軍属で
思いやりのある芯の強い若者。義父と義母も優しくすずを迎え入れ
すずの成長に一役買っている。
あの夏、すずはどのように受け止めたのであろうか。


さて、呉市といえば大日本帝国海軍の根拠地である。
その軍艦の姿も作中では描かれている。軽空母「飛鷹」「隼鷹」
重巡洋艦「利根」、すずの幼馴染・水原哲が乗り組む重巡洋艦「青葉」
そして世界最大の戦艦「大和」。最後のほうには戦艦「榛名」も描かれていた。
軍艦好きにも、魅力的な作品となっているであろう。


ところで、すずは絵を描くのが好きで、綺麗な呉軍港の見える自宅の庭で
スケッチをしていると、憲兵に叱られるシーンがある。
「これだから軍人は横暴だ!」と思われる方が大勢かと思う。
だが、これにはしっかりとした理由がある。呉はれっきとした要塞であり
「要塞地帯法」によって厳重に機密が守られていた。
撮影はもちろん、模写も禁止なのである。
「要塞地帯」であるから、その周辺の地形や建造物も模写してはいけない。
例えば海軍省が発行した写真であっても、要塞地帯が写っているものはNGであり
どうしても、という場合でも要塞地帯の部分は削除されるほど厳重だった。
地形がわかってしまうと、どこからが攻めやすいだとか、どの部分の守りが薄いだとかが
わかってしまうかもしれないからである。
実際、帝国海軍は真珠湾の見える場所から湾の様子を逐一偵察しており
軍艦の数や、どの方向から攻撃するべきか、情報を集めていた。
真珠湾攻撃は、情報戦でもあったわけだ。


それにしても、呉軍港空襲は軍港ゆえだとして
終戦直前の無差別空襲は鬼畜以外の何であろう。
もちろん、本土をまともに守れない軍部にも責任はあるのだが
米軍の戦闘機が逃げまどう一般市民を機銃掃射するガンカメラの映像は
実に生々しい記憶とともに現在に伝わっている。
(本土空襲・ガンカメラの映像はこちら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm22750279 )
日本軍はまったく歯が立たないじゃないか!と現在では言われているが
(実際そうだったのだが)
東京都杉並区久我山に配備されていた五式十五センチ高射砲は、対B29用に開発されたことで有名だ。
完成したのはわずか2門。だが、8月2日の空襲では、悠々と侵入してくるB29の編隊に対してこの高射砲が火を噴き
この日2機を撃墜したといわれている。そのため、B29は久我山を避けて通過するようになり
結局はそれで終わったのであるが、対高高度爆撃機への対策を行っていれば…と悔やまれるところだ。
戦争とはいつ何時、どのような理由で起こるかわかったものではない。
幸いなことにわが国は島国であることから、どのような備えをすれば良いか
選択肢は絞られている。
国土を防衛するためには、いかなる手段も惜しんではならない。
それが先の大戦の悲劇を繰り返さないために必要である。