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「聲の形」大ヒット!障害者への理解に期待


けいおん!」の製作陣が送る、アニメ映画「聲の形」。
同じタイミングで上映中のアニメ映画「君の名は。」と共に現在大ヒット中だ。


小学校6年生の石田将也(CV:入野自由)は、どこにでもいるガキ大将。
クラスメイトの島田や広瀬、クラス女子の植野直花(CV:金子有希)、川井みき(CV:潘めぐみ)などと
普通の小学校生活を過ごしていた。
そこへ、西宮硝子(CV:早見沙織)が転校してくる。硝子は、耳が聞こえない「ろうあ者」。
がんばり屋の硝子は、筆談用のノートを通じて、積極的にクラスに溶け込もうとする。
しかし、日常の会話ができないとコミュニケーションがスムーズにいかず
段々とクラスの中で浮いていくことに。
将也は、そんな硝子をおもしろがってからかったり、いたずらをしたりするのだが
それがクラス中に広がり、ついには硝子の補聴器を壊してケガをさせるまでになるに至り
ついにいじめ問題に発展する。
将也は「いじめっ子」として吊し上げられ、友人たちも彼から離れていき
硝子は転校。将也は逆にいじめられる側になってしまう。
…高校生になり、すっかり自己嫌悪に陥り、人とまともに会話することすらできなくなった将也は
ひょんなことで助けた永束友宏(CV:小野賢章)と友人になり、少しずつ自信を取り戻す。
硝子と再会し、小学校時代の元友人たちに会いにいくことを決めるのだが…。


本作では、障害者特に聴覚障害があり、日常の会話もままならない「ろうあ者」を
ヒロインに据えている。テーマとしては非常に難しい内容といえるだろう。
硝子役の早見沙織さんは手話モデルの方と交流し、補聴器の仕組みや
発音の仕方など、実に細かいところまで勉強されたそうである。
また、硝子というキャラを「人間味のあるキャラクター。力強い『生』を感じました」と語っている。
実にそのとおりであろう。
作中の硝子は、とても勇気があって、気づかいができて、とてもかわいらしかった。
とても難しい演技だと思ったが、素晴らしいキャラにしてくれた。お見事である。
個人的には、永束の友だち思いなところにも、とても感動した。
ああいう友人は、生涯の友になる。思えば、永束との出会いがなければ
硝子や他の幼馴染たちとの再会もなかったのではないだろうか。
このテーマに果敢にチャレンジし、実に魅力的な作品にしてくれた山田尚子監督をはじめとする
製作陣に敬意を表したい。


しかし、障害者やいじめ問題への無理解は大きな課題だ。
例えば、聴覚障害者の心理を考える場合、周りの音が聞こえないわけだから
相手が何を話しているのかわからない。周りでヒソヒソ話でもしているものなら
もしかして自分のことを言われているのでは…。と不安になるそうである。
かといって、あまり気を遣いすぎるのは却って逆効果である。
というのは、本作の年齢を考えていただきたい。
小学校6年生といえば、まだまだ障害者に対する理解が進んでいない時期。
ここで、扱いを変えるとクラスの中に「異質」が存在することになる。
これは、実はいじめの引き金になるのである。
「なぜいじめがなくならないのか?」という問いには、人間が本質的に
異質な者を排除するものだからといわれている。
また、自己防衛により、何らかの標的が社会に必要である、という説もある。
いずれにせよ、人間が本来持つ心理によりいじめは引き起こされる。
本作は「いじめ問題」と「障害者」の二重のテーマをはらんでいるのである。
僕は、学生時代に特に障害者の心理と福祉について学び、とてつもなく大きな興味を持った。
それ以来、考えているのが「ノーマライゼーション」の社会である。
もちろん、障害者は日常の中で何らかのサポートが必要になる時はあろう。
だが、基本的に障害者は健常者とともに平等な生活を送るべきである。
雇用、生活…分け隔てなく生きることはできるはずだ。
分けるということは、誤解を生み、そして差別を生む(区別だと言う人もいるが、これについては全く同意できない)。
例えば、義務教育のうちから手話の学習を行う時間を設けるだけでも、大分違うのではないか。
そして障害者は「健常者と違うところなんてない」と意識づけされれば、異質であるという認識も薄れよう。
本作を通して、障害者への理解が進み、ノーマライゼーションに向けた取り組みが加速することを期待したい。


聲の形」公式サイト
http://koenokatachi-movie.com/