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ドイツ国民はどう見るか、「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

ヒトラー暗殺、13分の誤算」という映画をご存知だろうか。
1939年11月、ヒトラーが政権を握ってから数年経ち
ナチス・ドイツは領土的野心をむき出しにしていた。
さらに国内のユダヤ人や反政府団体に対しても弾圧を強めていた最中。
ミュンヘン一揆16周年を記念して、ビアホールではヒトラーの演説が行われた。
実はこの時、ビアホールに時限爆弾を設置し、ヒトラーを暗殺せんと目論む
青年がいたのである。
ヒトラーは帰りの時間が変更となったため
慌ただしく演説を終えると、そのまま帰途についた。
その13分後、ビアホールは大爆発に包まれ、実に7人が死亡、63人が負傷する大事件となった。
この時、逮捕されたのが、家具職人のゲオルク・エルザーである。


本作品では、エルザーが反ヒトラー活動家として
活動を始めるまでのきっかけが
尋問に当たったアルトゥール・ネーベ武装親衛隊少将らを通して
描かれている。ネーベは、1944年にヒトラー暗殺未遂事件に関与したとして
絞首刑に処せられており、それも皮肉な描写といえる。


本作品を見ていると、2つの見方ができるであろう。
一つは命をかけてドイツを救おうとした義挙という面。
もう一つは、いかなる目的であれテロはテロであり、エルザーはやはり犯罪者という面。
ヒトラーのその後を考えれば、彼は暗殺されるべきであったというのに異論はなかろう。
しかし当時の一般国民の立場として見れば、後者である。
なぜなら、ヒトラーは間違いなく選挙でもって国民の信任を得たのであり
ヒトラー政権の業績により、ドイツ国民の生活水準はワイマール時代のそれと比べて
格段に上がっていたからだ。
そして、エルザーは義憤にかられて犯行に及んだのかもしれないが
彼が左派の中でも武闘派の赤色同盟戦線に所属していたことから赤色テロ
という見方もできるし
さらに、テロによって70人もの死傷者を出したことは許されるものではない。
1944年に発生したヒトラー暗殺未遂も爆弾を利用したものであったが
死亡したのは一般人ではないという点も、かなり評価は変わってくる。
僕は当時のドイツ国民として当時を生きていたら、どう思うだろうかと
考えながら本作を鑑賞した。