子どもが親に罪悪感を抱く「モラル・マゾヒズム」という概念
「モラル・マゾヒズム」という言葉をご存知であろうか。
つまり、子どもは親を選べないのは当然のことであるが
子どもは否応無くその親の元に生まれてくる。
ところが成長の過程で、ある種の良心の呵責に苛まれるのである。
なぜ親孝行をしなければならないのか。もちろんそれまで親のお世話になっているからだが
親が自分の時間や資金、労力を子どもに注ぐことで
子どもは親を裏切ることに大きな罪悪感を感じるようになる。
そのメカニズムを「モラル・マゾヒズム」という*1。
儒教でいうところの「孝」に当たる。
「親孝行」という言葉自体、もともと儒教由来で
主君に対する「忠」と並び最低限必要な人間力とされたのである。
これは、学生のころ教職課程で学んだ概念の一つであるが
最近よくこの言葉に思い当たることがある。
例えば、先日友人宅で「心が叫びたがってるんだ」を観たのだが
青春群像劇でありながら、大人の責任というものを痛感させられる作品でもあった。
順はなぜ親に酷いことを言われてもジッと耐えているのか
意外とこの疑問が出てこないのは
無意識にこの気持ちを納得できるからであり、自然な感情なのである。
もう10年も前に学んだことであるが
今でも大きく役立っている。
当時のノートを引っ張り出して復習してしまうほどだ。
それほど、大学という場所は新しい知識を得る喜びを教えてくれた。
(もちろん、中にはどうしても苦手な科目もあったが)
社会人になってから、ますます知識欲は強まる一方。
人間一生学習。今後も頑張りたいものである。
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