白雉日報社公式ブログ

日本第一党選挙対策委員会委員長とかいろいろやっています。

WUGの聖地巡礼への提言

3月30日に大洗町で開催された「海楽フェスタ」。
町によると、入込数は約5万人。
前夜に開催された花火大会では約3万人であり
延べ数では約8万人。これは前年の約5万人と同等かそれ以上である。
「あれ?頭打ちじゃね?」と思われるかもしれない。
実は当日はあいにくの雨模様。その中でこの数だから大したものだ。
当日はガールズ&パンツァーあんこうチームが勢ぞろいし
トークショーなども行われ、大盛況だった。
地元商店街にも多数のファンが流入し、かなりの経済効果があった模様である。


さて、当社では数多くのガルパン記事を紹介してきたが
現在のガルパンの経済効果はどうなっているのだろうか。
4月9日の広報誌では平成26年度予算が発表され
歳入が93億1300万円で、前年度の80億2800万円よりおよそ13億円増加した。
国庫支出金で約2億円増加し、使用料および手数料が
約1億5000万円増加。県支出金も約1億円増加した。
当社において、主な指標として使っているのは
茨城県「観光動態調査」および鹿島臨海鉄道の決算書などである。
おそらく、行政文書開示請求などをすれば商工会の決算も出るであろうから
その金額により、おおよその経済効果を計り知ることができるであろう。
鹿島臨海鉄道の決算書はまだ出ていないので、公表され次第
当社においても分析を行う予定である。


ところで、興味深い本が一冊あるのでご紹介申し上げたい。
廣済堂出版から出ている
ガルパンの秘密」である。
僕はこれを「どうせよくあるトリビア的な本だろ?」と
思いつつ、大洗町内の書店で(はい、江口又新堂さんですね)
購入した。で、一読してみてはっきりいってぶっ飛んだ。
「この一冊に、聖地巡礼の答えがすべて載っているじゃないか!!」

本書では、ガルパンに関連した人(水島努監督などの制作サイドと、常盤良彦氏などの地域で受け入れる側)
が21人インタビュー形式で掲載され、なぜガルパンはヒットしたのか?
いわゆる聖地巡礼でモデルケースになったのはなぜか?
ということについて実におおっぴらに描かれているのである。


これはぜひ、Wake Up, Girls!の聖地巡礼化に取り組む人は
読むべき一冊だ。教科書的な存在である。
特に、本書では「ガルパンまちおこしありきの作品ではなかった」ことが強調されている。
つまり「ヒットすればファンが来ていろいろできるかもしれないけど、保証はできません」という
実に現実的なスタートだったのである。
ヒントは、杉山潔プロデューサーのインタビューの中にあるこの一文。
「ファンも大勢来てくれたんですが、それ以上にキャラクターのPOPが街中にあふれたことによって
商店の方以外もビジュアルとして『ガルパン』の存在を感じて、賑やかな印象を感じ始めた
んじゃないかと思います」とある。
ビジュアルに訴えるという方法。アニメ作品はまさにこれが基礎である。
というか、基本の部分であるにも関わらず、実際に店舗をビジュアルでアピールしているところが
どれだけあるだろうか。僕は少なくとも、仙台市内では一店たりとも知らない。


もう一つ。大洗町の「救世主」ともいえる存在。
それがまいわい市場の運営などを手掛ける、大洗クリエイティブマネジメントの常盤良彦代表取締役
同氏のインタビューは仙台での問題がそのまま描かれている。
予算がないこと、面識つまり伝手がないこと、アニメのおもしろさを説明することである。
同氏によると、やはり何度もプレゼンに行くのが大変だったそう。
今ではガルパンの恩恵に預かっている鹿島臨海鉄道にも、5回は説明に行ったとか。
バンダイビジュアルからはライセンスの配慮を、鹿島臨海鉄道からは広告料の免除で相殺し
さらに「ガルパン勝手に応援団」や大学生のボランティアなどの力を借りて
ラッピング電車の実現に至ったのだという。
さらに商店街のオリジナルグッズの版権使用料やデザインなどに関しても
代行するなどし、無許可のグッズ(手書き看板などは今でもある)については
ある程度目をつぶり、相談に来た人に対しても「本当はこれだけ必要ですよ。
でも今回はこれで大丈夫ですよ」と、バンダイビジュアルも良心的な使用料にしてくれたという。
同氏はいう。
「大切なのは売上先行ではなく、自分の店の商品を『ガルパン』と組み合わせられないかと
お店の人が考えること。そうすればファンの人と話せるようになって
コミュニケーションにつながるかもしれない。大洗に足りないものって、あふれんばかりのパワーはあるのに
動くまで時間がかかることだったから」
これが正解である。僕は唸らずにはいられなかった。
仙台も規模こそ違うが、まさに同じ状況ではないか。


幸い、ガルパンと違いWUGは白紙ではない。
やれることはいろいろあるはずだ。
WUGを用いたまちづくりを考えるうえで
僕は本書を教科書にしたい。
…にしてもこれ900円でいいのか?9000円分くらいの価値はあったぞ…。