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取締役と執行役員はどう違うの?その2

前日、取締役と執行役員の違いについて簡単に述べた。
では、なぜ執行役員制度なるものができたのだろうか。
吉田春樹氏の「執行役員」に明快に描かれているので
それを基にご紹介したい。


もともと、この制度は欧米型の経営制度であった。
英語ではこの点明確に異なっている。
directer(取締役)とofficer(役員)の違いである。
欧米型経営では、取締役はあくまで経営に参画するだけであり
企業の中で半数以上は社外取締役に占められているところが多い。
さらに、役員報酬は決して高額ではない。役員報酬を高額にすると
取締役は経営に対して強硬な意見を言うことができず「癒着」
してしまうからである。だからこそ、アメリカでは役員報酬
高額であれば、それは非難の的になるのだ。
その点、日本はまるきり違うと言って良いだろう。
執行役員とはあくまで従業員であって、会社から独立した存在ではない。
取締役は会社に雇用されておらず、従って賃金は発生しないが
その代わり役員報酬があるのだ。
一方、執行役員は会社に雇用されている存在で、賃金が発生する。


わが国で最初に執行役員制度を取り入れたのはソニーである。
実は当時のソニーは、取締役が数十人もいるという
とてつもない状態にあった。現在のソニーの取締役数は13人と
大分少なくなった。なぜ、このような状態だったのかというと
日本のサラリーマンの目標は、「課長島耕作」でわかるように
最終的には取締役になることだったからである。
そこで、日本型経営のように年功序列の社会では
次から次へと取締役候補がでてきてしまったのである。
さらに、前日の冒頭で述べたように、日本では肩書き社会で
「取締役」だと取引先などの反応も違うというわけだ。
あまりに増えすぎた取締役に対して、ソニー
執行役員制度を設け、取締役から執行役員へ大量に移行させた。
その際「待遇はこれまでと変わらないから」と説明し
納得させたというが、「そんなのは嘘である」と吉田氏はばっさり。
経営に参画する取締役と、従業員に過ぎない執行役員とでは
待遇が変わらないわけがないというのだ。
とはいえ、定款に定めがない限り具体的な業務に関しては
実質的な業務をしない取締役と、部門の長ともといえる
執行役員とでは、実務的な権限が違うといえるのである。
そんなわけで、現在では取締役兼執行役員ということで
役職を兼ねるケースも多い。
今後の流れとしては、やはり執行役員制度を導入する企業は
増えていくであろうが、法的に定めがない制度であれば
ジャパンナイズして独自の制度にアレンジされていくのではないだろうか。