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ローマ教皇の影響力?

昨今の北朝鮮による挑発行動について
31日、カトリックローマ教皇・フランシスコ1世は
朝鮮半島の和解を呼びかけた。
この日は、イエス・キリストが復活したとされる「復活祭」にあたり
ローマ・カトリックには特別な日だ。
このローマ教皇による呼びかけ、はっきりいって北朝鮮には何ら
効果があるようには思えないが、どれくらいの影響力を持っているのだろうか。
現在、ローマ・カトリックの信者は約12億人で、キリスト教諸派の中でも最大の派閥だ。
そのトップたるローマ教皇は、時代の趨勢によって
その権威が増したり、衰退したりしている。
最盛期といえば、当然十字軍を呼びかけたウルバヌス2世、十字軍の中でも最も激しい戦いを繰り広げた
第3回十字軍のグレゴリウス8世、第4回十字軍のインノケンティウス3世あたりであろう。
この頃は、カトリック教国家を糾合して国連軍のように強力な軍隊を組織することができた。
だが、宗教改革が進み、皇帝や国王がカトリックから離れることが多くなると
その権威は大きく失墜した。


ところで、ローマ教皇が近代に入ってから力を発揮したことといえば
イタリアやドイツとの協力につきるだろう。
イタリアのムッソリーニは、政権の座につくと
ローマ・カトリック教会との和解を進めた。というのは、イタリアが統一されるにあたって
カトリック教会の領土は大幅に限定され、怒った教皇バチカンに引きこもったままだったからである。
そこでムッソリーニは、1929年バチカンの建国と政治への不関与を条件にラテラノ条約を締結
イタリアとローマ・カトリックは和解にこぎつけた。
また、ナチス・ドイツローマ・カトリックの影響力を無視することができず
フォン・パーペン元首相を派遣して、コンコルダート(政教条約)を締結する。
カトリックの布教・宗教活動をドイツが認めるかわりに、ドイツ国内のカトリック教徒に
ナチスへの忠誠を誓わせるというものである。
この時、教皇ピウス11世は、共産主義国家と対峙するドイツの誕生を歓迎した。
ドイツ国内のカトリック教会は、実はナチスにより迫害に近い扱いを受けていたが
この時すべての宗教を否定する共産主義のほうが、カトリックにとっては脅威だったのである。
従って、枢軸国とラテン系諸国は友好的であり、第二次大戦後はナチスファシスト戦争犯罪人
ラテンアメリカに逃亡させる手助けをカトリック教会が行った。
これを、「ラットライン」と呼び、アイヒマンやメンゲレもその伝手で南米に逃亡している。


さて、今のローマ教皇の影響力は一体どれくらいであろうか。
冷戦の終結とともに、共産主義の脅威は去った。それに伴い、教皇が政治的な影響力を駆使することはなくなった。
現在の国連安保理は、米国=プロテスタント、英国=英国国教会、フランス=カトリック支那共産主義
ロシア=ロシア正教会とバラバラである。その上、政教分離が徹底しており
表面上はローマ・カトリックの影響力は入る隙がないように見える。
だが、ローマ教皇は、カトリック教会の富を集約するバチカン銀行も傘下に置いているのだ。
莫大な富のおかげで、バチカン銀行はマネーロンダリング汚職の話題に事欠かない。
冷戦終結時の東欧革命にも、その資金提供が行われたともいわれており
今や、ローマ教皇の影響力は姿形を変え、さまざまな形で行使されているとみるべきだろう。