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終戦工作はいろいろあったが

幻の終戦工作 ピース・フィーラーズ 1945夏 (文春新書)

幻の終戦工作 ピース・フィーラーズ 1945夏 (文春新書)

これを読了したのだが、これとても良く書かれているから
再度掲載。
終戦直前に、日本でいろいろな動きがあったってのは
半藤一利さんの『聖断』や、大宅壮一さんの『日本のいちばん長い日』などにも
いろいろと載っていることだが
本著では、駐スイス日本公使館の加瀬俊一公使、公使館付武官の岡本清福中将
国際決済銀行の北村孝治郎理事、同行の吉村侃為替部長
そして、同行のベル・ヤコブソン顧問、米国戦略事務局のアレン・ダレスが登場人物。
彼らは互いの情報と考えを腹蔵なく話し合いながら、どのように日本を
降伏に導くことができるか、また、連合国軍に条件を軽くするためにはどうすれば
良いかっていうのを話し合った経緯が事細かに書かれていて、とても良い。
これは映画化もできるんじゃないかってくらい
ストーリー性があって、そして、各人の立場を超えた理念が伝わってきて
最後の「あなたと仕事ができて良かった」と別れを惜しむシーンは
ぜひ小説に!というところだ。
さらに、その時岡本中将は自決してしまい、いないのだが
遺書が残っている。彼もまた、終戦に向けて努力したことに敬意を表して
全文掲載させていただきたい。


「事茲ニ至ル
 過去ニ於ケル在独武官、第二部長及連絡使トシテノ責極メテ大、其ノ罪
 萬死ニ値ス
 依テ茲ニ自決シテ御詫申シ上グ
 遥カニ謹ンデ 皇室ノ御安全ヲ祈リ奉り 大和民族ノ克ク臥薪嘗胆シテ
 新日本建設ニ邁進センコトヲ希フ
   二千六百五年八月十五日十六時
 大元帥陛下ノ萬歳ヲ三唱シ奉ル
 岡本陸軍中将」