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不動産ファンドを運営するケネディクス?(本社東京都、川島敦社長)が
5月12日、決算を発表し、154億円の赤字に転落したことを明らかにした。
これには、「棚卸資産の評価に関する会計基準」によって
低価法が適用されたことが原因で、棚卸し資産が128億円の損失を出した。
そんで営業利益が営業収益は前年同期比71.5%減の12,762百万円となり


営業利益1,227百万円(前年同期比82.3%減)
経常損失1,333百万円(前年同期は5,088百万円の経常利益)
四半期純損失15,490百万円(前年同期は2,558百万円の純利益)


となったというわけ。
しかし、考えてみると不動産投資アドバイザリー事業でも
営業収益は466百万円(前年同期比57.8%減)
営業利益は310百万円(同63.1%減)

となっている上に


不動産投資事業では
営業収益は11,479百万円(前年同期比73.3%減)
営業利益は1,525百万円(同72.6%減)


となっている。債券投資マネジメントとアセットマネジメント事業は
それほど減ってはいないので、この2つの事業にかなりの損失があったと
見るべきだろう。
では、なぜこのように下がったのかというと抽象的な原因しか
書かれていないわけなんだが、どこの投資で失敗したとか
どこのビルが売れてないとか、書いてほしい。
株主は利益だけを求めるんじゃない。
その会社のためになることも考えるんだ。


ちなみにこの「低価法」というのは、本当に厄介な会計基準でして
棚卸し資産の「取得原価」と「時価(乃至正味売却価格)」を比較して
低いほうを計上するというやり方で、平成20年4月から強制適用されている。
これまでは、販売用の棚卸し資産については
「原価法」といって、取得した際の値段そのままを計上すればよかった。
で、その資産は、売却するか処分するまで計上しなくてもよかったんだが
(もちろん、価格の回復は見込めない場合は「棚卸し評価損」が計上された。)
そうすると、結局は含み損を先送りさせている状態なわけだ。
例えば、マンションなんかだと販売すればいいわけだが
もし売れなかった場合、このマンションはだんだん資産価値が落ちていく。
10億円で建てたマンションだとすると、次の年には9億円になっているとする。
その場合、今までの会計基準では、10億円のまま計上してもよかった。
だが、もしかすると近くにショッピングモールができるかもしれない。
或いは景気が回復して、地価が上がれば10億円に戻すかもしれない。
そうやっているうちに資産価値はさらに下がっていく。
そういった問題の先送りを止めさせようということで考え出されたのが低価法だ。
確かにこれは痛い。特に、販売用資産の額が莫大に上る不動産会社などは
やばいんではなかろうか。