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『The Sun 太陽』を見た。新作だったけど
これはミニシアター系で、見られなかったんだよね。
だから出たら絶対見ようと思って。
この映画はロシアのソクーロフ監督が初めて人間、昭和天皇を
描いたもの。未だかつて昭和天皇を描こうだなんて
思った瞬間お蔵入り確定だった。それほどタブーだったから。
今回、昭和天皇を演じるのはイッセー尾形、香淳皇后が桃居かおり
その他、そうそうたる面々が天皇の周辺を飾る。
イッセー尾形は昭和天皇に顔を似せるために、綿を口に詰めたのだとか。
昭和天皇の戦時下での暮らしと、そのキャラクターについて描いているが
それまでヒロヒトと言えば大元帥陛下であり、開戦を命令した、と
極めて論争が続いているが、この映画では、侍従達に囲まれ、予めやることが
決まっている一日を苦痛に感じ、軍部の暴走に苦悩していた人間としての天皇である。
概ね、言うことはないかな。
昭和天皇があれだけ、ボソボソと喋る人だったかなんて確認しようがないからね。
終戦を決定したんだから開戦も止められたはずだ、というのが戦争責任論。
確かに「天皇ハ陸海軍ヲ総攬ス」なんてのがあるね。
ところが、当時の外相松岡が親独伊だったので
昭和天皇は
「松岡だけ外すことはできんのか?」と聞いてみたところ
近衛首相は「熟慮致しますが、難しいかと思われます」と結局叶わなかった。
また、満州事変が拡大しつつある時期に
「大元帥命令で(収拾)できないであろうか」と聞いたところ
侍従長らに制止されている。
とにかく、悪くない作品だった。
細かいところでツッコミを入れたくなるけど
外国人から見た昭和天皇は実に理解できた。