白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

スウィングボーイ様から
株式交換について」質問を受けました。
何だか人生相談室みたくなりつつあるブログです。
どうも、ファンドマネージャーのきっくです。
因みにファンドマネージャーは誰でもなれます。
資格とか要りませんから、名乗るのは自由です。


完全子会社にするためには「株式交換」という制度を使います。
例えばA社がB社を直接経営するために完全子会社にしちまおうと
している場合、A社=「B社の100%出資会社という既成事実」
を作っちまえばいいわけです。
では「100%の出資会社」とはどういうことか。
答えは簡単。B社の株式を全部持っていれば完全子会社に
できます。A社は強制的にB社の株式を回収することができます。
その代償として、A社は株式を投資家に交付します。
B社の株式がA社の株式に交換されるわけですから
株式交換」ですね。
問題は、その交換比率です。
そのまま買取ができるわけがありませんから
A社とB社の間で交渉して決めます。
で、それが株主総会で決議にかけられます。*1


例えば、今世間を若干騒がせている
北越製紙王子製紙の件で見れば、北越と王子では連結子会社でも
ありませんから、完全子会社にはできません。
王子製紙北越製紙を買収するには、ひたすら株式を買うしかない。
その中で最も効果的なのがTOB(株式公開買い付け)で
これは一般投資家に「北越製紙の株式を○○株を○○万円で買い取ります!」
っていう新聞紙上に広告を出します。そうすると、多くの株が集まりますね。
北越製紙が何とかするには2つ(厳密には4つ)方法がある。


1、新規発行株式を増やす→自社株買いで防衛
  (新株発行予約権→協力企業で買う)  

2、ホワイトナイトに助けてもらう→TOBホワイトナイト参加
  (増資してもらう→株価が上がって投資家買いが高まる)


結果的に、51%以上の株式を保有できたら王子製紙の勝ちです。
MA部門は頑張ってください。

*1:独占禁止法によって金融機関は5%以上の株式を保有してはいけないことになっている。但し信託銀行や金融持株会社は特例で10%を超える保有が認められる