白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

さて、「バルトの楽園」を観にいってきました。
第一次大戦で捕虜になったドイツ軍が収容された
捕虜収容所の所長・松江豊寿の寛容さに心を打たれた
捕虜達は、お世話になった収容所に人達や
地元住民のために「第九」を演奏する。
というストーリー。
どさくさに紛れて参戦したくせに偉そうな日本の軍人。
ていうかこんなこと本当にあったの?と思って調べてみました。
「…陸海軍とも国際法を厳しく守り、捕らえたドイツ軍俘虜は丁重に扱った」
Wikipediaより抜粋)
まぁぶん殴ったり、トラバサミを仕掛けたりすることはなかったと。
あの映画はちょっと誇張しすぎの感もあるということですね。
私はこの件についてよく知らない。
日露戦争では、ロシア兵捕虜を丁重に扱ったのは有名な話ですが
第一次大戦ではどうだったのかはちょっとわからない。
でも日露戦争から10年しか経っていないのだから
体質的には当時とあまり違いはなかろうと思うのでした。
さて、物語の展開ですが、これもちょっと不満。
松江所長が会津人で、とりあえず地元住民からも慕われて
いるということはわかった。
でも、この作品は良く言えば捕虜の1人1人が主人公になれる映画で
パン職人もいれば、自然学者もいるし、軍楽隊長もいる。
つまり所長以外は全員同じ扱いで、同じくらいの量のエピソードが
あるんです。そこを欲張りすぎたせいか、ところどころ端折られて
いる部分があって、展開があっちこっちで忙しくて、それが惜しい。


良かった点。ドイツと日本は同じ歴史を歩んでいるという
メッセージは伝わった。ドイツは戦争に負けたけど
それは会津も同じことで、長らく差別を受けていますし。
ラストで日本とドイツの風景を重ねる描写があって
あぁ、日本とドイツは実はこんなに似ているんだな
と思わせたいところも伝わった。
あと、これ一番良いところだったけど
第九にカラヤン指揮のベルリンフィルを持ってきている。
これは凄い。クラシックをちょっとかじっている人は
絶対カラヤンを持ってくる。
なぜならばヘルベルト・フォン・カラヤン
は神だから。
なので、第九好きな人は一遍観ればいいかも。
第九は混声だけど、映画内(収容所内)では男声のみだから
そこも聞き応えあるお。